
なんて考えではないでしょうか?
そんなあなたに「ちょっと待った!」と言いたい。
本記事の内容
- 健康体でも不健康な食生活をするとヤバイ
- 不健康な食生活がヤバイ理由
- 肥満の悪影響を健康的な食事で防ぐ
- 健康的な食事とは
「健康的な食事が大切」と言われるけど、その大切さがイマイチわからん!と考える方も多いと思います。
そんな中、健康的な食事の大切さを示してくれている研究が見つかりましたので、ご紹介したいと思います。

ということで今回は、「健康体でも不健康な食事をしているとヤバイ」ということを解説し、健康的な食事の大切さやどんな食事をすれば良いのかについてもお伝えしていきます。
本記事を参考にして、ぜひ今日から健康的な食生活を取り入れてみてください。
タップできる目次
健康体でも不健康な食生活はヤバイ!
冒頭でも述べた通り、「健康体だから不健康な食生活でも大丈夫!」と考えている方も多いかと思いますが、実はめちゃくちゃヤバイのです。
ここでいう健康体とは、BMIが20〜24.9までの普通体型を指しています。
BMIとは体型を表す指標で、体重(kg)÷身長(㎡)で算出します。身長171cm、体重65kgであれば、65÷(1.71×1.71)でBMI22.2となります。
なぜ不健康な食事がヤバいのかについて、以下で解説していきます。
なぜ不健康な食事がヤバイのか
健康体での不健康な食生活がヤバイ理由は、不健康な食生活により死亡リスクが上がるからです。
2020年に行われた研究では、普通体型、過体重、肥満体型の人々の食生活と死亡リスクとの関係が調べられました。
過体重はBMI25〜30、肥満はBMI30以上を指します。
その結果、不健康な食生活をしている人は、健康的な食事をしている人よりも死亡リスクが高いことがわかりました。


健康体で不健康な食事をするヤバさ
その続きとは、不健康な食事をしている健康体(普通体型)の人は、過体重や肥満で不健康な食生活をしている人よりも死亡リスクが高いということ。
つまり、健康体の人の方が不健康な食事の悪影響をモロに受けてしまう可能性があるのです。

どれくらいリスクが高まるのか
健康体で健康的な食生活をしている人の死亡リスクを1とした場合の、不健康な食事による死亡リスクは以下の通りです。
普通体型 | 過体重 | 肥満 | |
全要因による 死亡リスク | 1.60 (CI:1.48~1.74) | 1.36 (CI:1.26~1.48) | 1.48 (CI:1.32~1.67) |
※表は横にスクロールできます。Michaëlsson et al.(2020)から数値を引用
※上記の数字は普通体型で健康的な食事をしている人と比べたハザード比(HR)
※CI=Confidence Interval(信頼区間)
上記の表は、普通体型で健康的な食事をしている人の死亡リスクを基準値の「1」とした場合の死亡リスクを示しています。
つまり、数値が高いほど死亡リスクが高いことを表します。
健康体で不健康な食事が一番ヤバい
上記の表の数値から言えることは、以下の2つ。
- 過体重または肥満で不健康な食事をしている場合は、死亡リスクが1.36~1.48倍になる
- 普通体型で不健康な食事をしている場合は、死亡リスクが1.6倍になる
どの体型でも不健康な食事で死亡リスクが上がるようですが、普通体型の人の場合が一番リスクが高くなっています。
つまり、健康体である場合は、不健康な食事の悪影響をより受けやすくなる可能性があるのです。

健康的な食生活で肥満の悪影響を打ち消せる?
少し余談になりますが、上記の研究でもう1つ面白いことが指摘されていました。
それは、たとえ肥満や過体重であっても健康的な食生活をすることで死亡リスクを下げられるということ。
一般的に、普通体型以上に体重が増えるほど病気のリスクが上がり、健康への悪影響が出ることが指摘されています。
なので、健康的な食事によって肥満や過体重の悪影響を抑えられることが示唆されたのは非常に興味深いです。
どれくらいリスクを抑えられるのか
では、健康的な食事をすることで実際にどれくらい悪影響(死亡リスク)を抑えられるのか。
上記の研究の結果としては、普通体型で健康的な食事をしている人に比べて
- 過体重で健康的な食事をしている場合は、死亡リスクが0.94倍
- 肥満で健康的な食事をしている場合は、死亡リスクが1.03倍
となっていました。
ご覧のように、過体重の場合はむしろ死亡リスクが低下しており、肥満であってもそれほどリスクが上がっていません。
つまり、多少太っていたとしても健康的な食事をすることで肥満による悪影響を健康体と同じレベルまで抑えられることが示唆されているのです。

健康的な食事とは?

といった疑問が浮かんでくるかと思いますので、最後にその点について解説していきます。
健康的な食事とはいろんなものがありますが、ここでは上記の研究でも指標にされた、世界的にも注目の集まる「地中海料理」を解説します。
地中海料理とは
地中海料理とは、地中海沿岸諸国の伝統的な食事のことです。
代表的なものとして、イタリア料理、スペイン料理、ギリシャ料理などがあります。
地中海料理の定義
地中海料理は、「地中海料理に関する国際会議」で以下のものと定義されています。(参照)
地中海料理の定義
- 植物性食品(野菜、果物、豆類、種子類)が豊富
- デザートに新鮮な果物を食べる
- 脂類の摂取源は主にオリーブオイルを用いる
- 少〜適量の乳製品(チーズやヨーグルト)を食べる
- 卵の摂取は週4回未満
- 赤身肉の摂取はまれで、少量
- 少〜適量のワインを食事と一緒に
まぁ色々と書いていますが、植物性食品を豊富に食べ、油はオリーブオイルを使って肉よりも魚を食べるという認識で良いかと思います。

健康体でも油断せずに健康的な食生活を:まとめ
今回は、健康体であっても不健康な食生活をしていると、肥満や過体重の人以上に死亡リスクが高まってしまう可能性についてお伝えしました。
また、肥満や過体重であっても健康的な食事をすることで死亡リスクを下げられる可能性があることもお伝えしました。
ここで1つ注意なのは、今回ご紹介した研究は観察研究なので健康的な食事が死亡リスクの上昇の原因だとハッキリと言えない点です。
ただ、健康的な食事(地中海料理)が病気のリスク低下に役立つことはよく指摘されているので、健康で長生きしたい場合は積極的に取り入れてくべきでしょう。