以前、「ガンは運でなる」とお伝えしました。
が、無駄にリスクを上げることは賢くありません。
実際そこで紹介したデータでも私たちの周りの環境に起因するガンも全体の30%ほどとなっているので、日々の生活からガンのリスクを低減することは大切です。
そんな中、1日1杯お茶を飲むことでガンのリスクが下がるかもしれないという研究データが出ていました。
ということで今回は、お茶とガンのリスク低下についてお伝えしていきます。
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今回の研究は、2018年の論文を参考にしています。
1日1杯のお茶で発ガンリスクが◯%下がる?
今回の研究は、お茶の消費と口腔ガンのリスクを調べた14件の過去の研究を集めたメタ分析となっています。
それら14件の研究を調べた結果、
- 1杯お茶を飲むごとに口腔ガンのリスクが6.2%低下
(OR=0.938, 95% CI=0.922–0.955, P<.001) - 最大で口腔ガンリスクが46%低下(8.75杯/日)
(OR=0.54, 95% CI=0.42–0.70)
ということが導き出されていました。

ちなみに、口腔がんとは名前の通り「お口の中にできるがん」のことです。基本的に舌や口底(舌の下側)、歯肉に腫瘍ができます。
日本では、1年間に約11,400人が口腔ガンと診断されています。(参照)
飲む期間が長いとさらにリスク低下
今回の研究では、お茶を飲む量だけでなく日常的に飲んでいる期間と口腔ガンの発症リスクも調べられていました。
その結果はというと、
- お茶を飲む期間が5年増えるごとに、口腔ガンのリスクが7.4%低下
(OR= 0.926, 95% CI=0.905–0.948, P<.001)
となっていました。
飲む期間が長くなるほどリスクが低下していて、25年で大体半分ぐらいまでリスクが低下していました。
なので、まだ日常的にお茶を飲んでいない方は、今日から飲み始めるのが良さそうです。
なぜお茶を飲むとガンリスクが下がる?
ではなぜお茶を飲むとガンのリスクが低下する理由としては、お茶に多く含まれているポリフェノールの一種の「カテキン」が大きく貢献していると考えられています。
中でも、EGCGと呼ばれるカテキンの一種が発がん抑制効果が高いとされています。
EGCGとはエピガロカテキン3-ガラートというカテキンの一種。特に茶に最も多く含まれているカテキンで、強い抗酸化力を持ちます。
また、紅茶では製造過程でEGCGがテアルビジンに変換されているため、紅茶には含まれていないようです。
EGCGが発がんを抑制するメカニズムは様々言われていますが、その一つが「EGCGはがん細胞を死滅に誘導する効果がある」こと。
紅茶では大してリスク低下せず
このEGCGの発がん抑制力を裏付ける結果が今回の研究でも示されています。
今回の実験では、お茶の種類と口腔ガンのリスクの関係も調べられており、EGCGが少ない紅茶の消費と口腔ガンのリスク低下には相関が見られなかったようです。
一方、緑茶と烏龍茶は口腔ガンのリスク低下と大きく相関していることが示されています。

ジュースを飲んでいる人はお茶に変えるのがおすすめ
以前、「ジュースを毎日飲んでいる人は体内の炎症レベルが爆上がりする」とお伝えしました。
体内の炎症ってあまり聞き慣れない言葉ですが、最近はこれが様々な病気の原因であることが指摘されています。
実際、数々の研究で体内の炎症レベルが高いと糖尿病、肥満、心臓病などの病気のリスクが上がることも示されています。
なので、毎日コンビニや自販機で甘いジュースを買って飲んでいるという方は、今回紹介したガンのリスクを下げる効果の期待できるお茶に変えてみるのもいいかもしれません。
1日1杯の◯◯を飲むごとにガンのリスクが6%も低下!?:まとめ
今回のポイント
- お茶を1杯飲むごとに口腔ガンリスクが6.2%低下
- 最大で46%低下
- 紅茶だとリスク低下が望めない
- 飲むなら緑茶か烏龍茶で
- 加糖飲料などジュースを飲んでいる人はお茶に変えるのがおすすめ
今回はお茶の摂取と口腔ガンのリスクとの関係についてお伝えしました。
お茶を習慣的に飲むだけで、ガンのリスクを下げられるので飲まない手はないですね。
最近では堀千恵美さんが舌がんを発症し手術をされていましたが、お茶を飲むことで避けられていたのかもしれません。
病気は発症してからでは遅いことが多く、しっかりと予防することが大事です。
お茶を飲むくらいであれば今日からできるかと思うので、ぜひ自分の体のためにも始めてみてください。