アメリカのEWG(Environmental Working Group)という非営利団体が、47品目の野菜や果物の残留農薬(殺虫剤)を調べてくれていましたのでメモしておきます。
まぁ今回の調査結果はアメリカのものなので、日本にも当てはまるのかどうかは微妙なところ。
ですが、どういったものに農薬が残りやすいのかを知ることができるかと思いますので、ぜひご参考ください。
特に、残留農薬が多いものはオーガニックのものにするか、今回お伝えする農薬除去対策をしっかりすると良いかと思います。
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本記事は、EWGの調査をもとにしています。
残留農薬が多い野菜・果物ランキング
EWGが調べた食品の中で、残留農薬が多かった上位12位は以下の通りです。
- イチゴ
- ほうれん草
- ケール
- ズバイモモ
- リンゴ
- ぶどう
- モモ
- チェリー
- ナシ
- トマト
- セロリ
- ジャガイモ

ちなみに、ここで言う「残留農薬が多い」というのは、以下の5つの基準によって決められているようです。
5つの基準
- 残留農薬が検出されたサンプルの割合
- 2種類以上の残留農薬が検出されたサンプルの割合
- サンプル毎に検出された残留農薬の平均数
- 残留農薬の平均量
- 1サンプルで検出された残留農薬の最大数
- 1作物で検出された残留農薬の合計
上位5つはほぼ全てで残留農薬検出
上位5つのサンプルの90%以上に2種類以上の残留農薬が検出されたようです。
なので、スーパーとかで買ったイチゴやほうれん草には、ほぼほぼ残留農薬が付いているということになりますね。

農薬の残留量が多かったのは?
農薬の残留量が1番多かったのは、ケールとほうれん草だったようです。
これらの野菜には、他の野菜の1.1~1.8倍の残留農薬が検出されたようです。
最近、緑の葉物野菜の健康効果が言われ、ほうれん草が注目されているだけに少し残念ではありますが、この辺は注意した方が良いかもですね。
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残留農薬が少ない野菜・果物ランキング
今度は反対に、残留農薬が少なかったランキングです。
- アボカド
- とうもろこし
- パイナップル
- 玉ねぎ
- パパイヤ
- スイートピー
- なす
- アスパラガス
- カリフラワー
- マスクメロン
- ブロッコリー
- きのこ
- キャベツ
- ハネジューメロン
- キウイ
上位2つはほぼ残留農薬が検出されず
残留農薬が検出されたサンプルの割合が最も低かったのは、アボカドとトウモロコシだったようです。
これらのサンプルのわずか2%からのみ残留農薬が検出されたみたいです。

あと個人的に、ブロッコリーの残留農薬が少ないのは嬉しい結果です。
なにせブロッコリーには大量のビタミンやミネラル、抗酸化物質が含まれていますからね。(参照)
残留農薬があったのはごく稀
上記の15の野菜と果物のサンプルのうち、2種類以上の残留農薬が検出されたのはわずか7%。
また、サンプルの約70%で残留農薬が検出されなかったようです。
つまり、上記15の食べ物ではほぼほぼ残留農薬はなく、あっても1種類のみなのでわりと”綺麗”なので安心して食べられそうですね。
調べられた47の食品リスト
EWGが調査した野菜と果物全47品目は以下の通りです。
※残留農薬が多いものから順になっています。
- イチゴ
- ほうれん草
- ケール
- ネクタリン
- リンゴ
- グレープ
- モモ
- チェリー
- 洋梨
- トマト
- セロリ
- ジャガイモ
- ピーマン
- プチトマト
- レタス
- きゅうり
- ブルーベリー
- 唐辛子
- スモモ
- サヤマメ
- タンジェリン
- ラズベリー
- グレープフルーツ
- スナップエンドウ
- 冬カボチャ
- ニンジン
- オレンジ
- 夏カボチャ
- バナナ
- サツマイモ
- スイカ
- マンゴー
- キウイ
- ハデニューメロン
- キャベツ
- キノコ
- ブロッコリー
- マスクメロン
- カリフラワー
- アスパラガス
- ナス
- スイートピー
- パパイヤ
- 玉ねぎ
- パイナップル
- とうもろこし
- アボカド
日本ではあまり馴染みのないものもありますが、自分の好きな野菜や果物はどこに位置していましたか?

残留農薬を除去する方法
上記では残留農薬が多いものと少ないものをご紹介しましたが、残留農薬があるから食べない方が良いとは言えません。
しっかりと対策をすれば、残留農薬の低減や除去ができるので、好きな野菜や果物もちゃんと食べられます。
野菜や果物に残った農薬を除去する主な方法は以下の3点です。
- 皮を剥く
- ぬるま湯でしっかりと洗う
- 重曹を使って洗う
それぞれ解説していきます。
残留農薬を除去する方法①:皮を剥く
残留農薬を除去する一番簡単で、手堅い方法は皮を剥くことです。
農薬の多くは野菜や果物の表面についているものが多いため、外の皮を剥くことで大抵は除去できます。
以下の本に様々な野菜や果物の農薬除去の仕方が解説されているので、参考にしてみてください。

ただし、皮を剥くと栄養素も失われる
皮を剥くことで農薬対策はできますが、皮と一緒に栄養素が大きく失われてしまうこともあるので個人的にはあまりお勧めしていません。
実際、リンゴを食べる健康効果は皮が大きく関わっている可能性が示唆されていたりしますしね。
農薬を除去する方法②:ぬるま湯でしっかりと洗う
ぬるま湯でしっかりと洗うことでも、農薬対策ができます。
皮がついていない野菜や果物は、基本的にはこの方法になります。
この方法はそこまで目新しさはありませんが、流水でしっかりと洗うことである程度の農薬や雑菌は落とせるようです。
農薬を除去する方法③:重曹で洗う
少し意外かもしれませんが、重曹を混ぜた水で洗うことで残留農薬を除去できるようです。
2017年の研究では、水道水、塩素を混ぜた水、重曹を混ぜた水の3つのうち農薬除去効果が一番高かったのは、重曹の入った水であったという結果が出ています。
具体的には、重曹を1%混ぜた水で12分リンゴを洗った場合、
- 表面の農薬(ホスメット)が95%減少
- 内部に浸透する殺虫剤(チアベンタゾール)も80%ほど減少
したようです。
まぁ12分も洗うのはしんどいかと思いますが、数分でも効果はあるようなので試してみるのが良いかと思います。
浸透性の農薬や殺虫剤を除くのは皮を剥くのがベスト?
上で説明したように、重曹を使えばある程度の浸透性の殺虫剤も除去できるようですが、皮を剥く方がより効果的だと先の実験の研究者が言っております。(参照)

なので、農薬はある程度除去できれば良いかという方は、重曹などを使ってしっかりと洗浄して皮付きで食べれば良いかと思います。
農薬をある程度除去すれば、その害もほとんどなくなるかと思いますしね。
ただ、どうしても気になるという方は皮を剥いて洗って食べるか、農薬を使わず栽培されている有機栽培のものを選ぶようにすることをおすすめします。

残留農薬が多い野菜と果物はしっかり洗う:まとめ
今回は非営利団体のEWGの調査で分かった残留農薬が多い・少ないランキングをお伝えしました。
効率的に、そして安定的に食べ物を生産するためには農薬は欠かせませんが、残留農薬の健康への影響は気になりますよね。
ただ、しっかりと対策をすればある程度低減や除去もできるので、そこまで心配する必要はないと個人的には思っています。
それよりも野菜や果物を食べなくなる方がよっぽど健康に悪影響が出るかと思うので、しっかりと対策をしつつたくさん野菜や果物を食べていけば良いかなと思います。
私も今後しっかりと対策をしつつ、大好きな野菜と果物を食べていくようにしたいと思います。
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