2年ほど前に『残留農薬が多い野菜と果物ランキング|ワーストはみんな大好きの"あの果物"!』という記事を書きました。
そこで使ったデータの2023年最新版が出ていたので、まとめていきたいと思います。
今回は前回よりも1つ少ない合計46の野菜と果物の残留農薬についてお伝えしていきます。
この記事で参照しているEWGの調査は、アメリカの農作物の調査なので日本産のものでも同じ事が言えるかは微妙ですが、残留農薬を残しやすい種類の把握などある程度は参考になるかと思います。
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調査の概要

まず軽くEWGの調査の概要だけお伝えしておきます。
調査元と目的
この調査はアメリカの非営利団体であるEWG(Environmental Working Group)によって行われています。
今回の調査結果は『Shopper’s Guide to Pesticides in Produce™(農産物の農薬に関する消費者ガイド)』という名で公開されており、消費者に安全で健康的な選択を促すために行われているリサーチの1つです。
調査の内容
この調査では、アメリカの農務省(USDA)と食品医薬品局(FDA)の最新の果物と野菜のテストデータを使用し、残留農薬について調べられています。

アメリカでは毎年農務省(USDA)がいくつかの野菜と果物を選んで、残留農薬のテストをしているようです。
今回対象となっているものは、全46種類の野菜と果物の合計46,569サンプルです。
それでは結果を見ていきましょう。
残留農薬が多い野菜・果物ランキング

では早速、残留農薬が最も多かった野菜と果物から紹介します。
残留農薬ワースト12は以下の通りです。(上から農薬が多い順に並べています)
残留農薬ワースト12
- いちご
- ほうれん草
- ケール、コラード、マスタードグリーン
- もも
- 洋なし
- ネクタリン
- りんご
- ぶどう
- ピーマン・唐辛子
- チェリー
- ブルーベリー
- サヤインゲン
どうでしょうか?皆さんの好きな野菜や果物は入っていましたか?
見た感じ上位群は2年前とそこまで変わっていないですね。
ただ、下位群は以前はトマトやセロリ、じゃがいもなどが入っていましたが、ブルーベリーやパプリカ、サヤインゲンなどが台頭してきたようです。

個人的にいちごとかブルーベリー、ほうれん草とか好きでよく食べているので悲しみです。。。
ほぼ全てで残留農薬検出
上記の12種類の中でもいちご、りんご、チェリー、ほうれん草、ネクタリン、ぶどうでは、対象となったサンプルの90%以上で少なくとも2種類以上の農薬が検出されたようです。
また、12種類全てにおいて少なくとも1サンプルは13種類もの農薬が残留しており、多いものだと23種類にも及んでいたのだとか。

23種類っ....!! どんだけ農薬つこてまんねんって感じですね。w
さらに、2011年にサヤインゲンへの利用が禁止された神経毒性のある「有機リン系殺虫剤アセフェート」という農薬もサンプルの6%から検出されたようです。
ワースト12になるだけのことはあるという感じです。
残留農薬が少ない野菜・果物ランキング

続いては、逆に残留農薬が少なかった野菜と果物を紹介します。
残留農薬が少なかったベスト15は以下の通りです。(上から残留農薬が少ない順)
残留農薬ベスト15
- アボカド
- とうもろこし
- パイナップル
- 玉ねぎ
- パパイヤ
- スイートピー
- アスパラガス
- ハネージュメロン
- キウイ
- キャベツ
- キノコ
- マンゴー
- さつまいも
- スイカ
- にんじん
上記15種類の野菜と果物は今回調べられた46の野菜と果物のなかで最も残留農薬が少なくクリーンな農作物なので、安心して食べられるでしょう。。
こちらのランキングも2021年のものと割と似通っていますね。

特に1~6位は順位が変わっておらず、不動の残留農薬少ない農作物ぽい風格が出てきています。
7位以下は以前はブロッコリーやカリフラワーなどが入っていましたが、今回はさつま芋やにんじんなど根菜類がランクインしています。
半分以上で農薬が検出されず
上記の15の野菜と果物の65%のサンプルでは残留農薬が検出されなかったようで、2つ以上の農薬が検出されたのはわずかサンプルの10%ほどだったようです。

サンプルの90%に農薬が2つ以上検出されたワースト12とは真逆ですね。
また、1位と2位のアボカドととうもろこしについてはサンプルの2%以下のみ農薬が検出されたようで、ほぼほぼ農薬フリーと言えそうです。
さらに上位6つでは3つ以上の農薬が検出されたサンプルは無く、2021年から変わらず鉄壁のクリーンさを保っています。
調べられた46の食品リスト

ここまでお伝えしたワースト12とベスト15以外のランキングも気になる方もいるかと思うので、以下に全46種類の野菜と果物の残留農薬ランキングを載せておきます。
残留農薬が少ない順から上に並べています。(参照)
残留農薬が少ないランキング
- アボカド
- とうもろこし
- パイナップル
- 玉ねぎ
- パパイヤ
- スイートピー
- アスパラガス
- ハネージュメロン
- キウイ
- キャベツ
- キノコ
- マンゴー
- さつまいも
- スイカ
- にんじん
- カリフラワー
- バナナ
- マスクメロン
- オレンジ
- スナップエンドウ
- グレープフルーツ
- ラズベリー
- なす
- 梅(プラム)
- 夏カボチャ
- ブロッコリー
- きゅうり
- タンジェリン(みかん)
- レタス
- チェリートマト
- ジャガイモ
- セロリ
- 冬カボチャ
- トマト
- サヤインゲン
- ブルーベリー
- チェリー
- ピーマン・唐辛子
- ぶどう
- りんご
- ネクタリン
- 洋なし
- もも
- ケール、コラード、マスタードグリーン
- ほうれん草
- いちご
いかがでしたでしょうか?
皆さんの好きな野菜や果物は何位にランクインしていましたか?

私はトマトが好きなのですが、割と低めな34位で少しショックでした。。。
残留農薬が多いものは避けるべきか?

残留農薬が多い野菜と果物をお伝えしましたが、それらを避けるべきかというとそうではありません。
ほうれん草やブルーベリーなど残留農薬が多いものと認定されているものの中には、高い健康メリットが示されていて積極的に取るべきものもたくさんあります。
なので、それらをしっかりと摂取しつつ残留農薬の影響を最小化していくことが大切になります。

オーガニックのものを買えばかなり安心ですが、値段が高いので普通のものを買って農薬対策をするのもおすすめです。
残留農薬を除去する方法
残留農薬を除去する方法としては主に以下の5つがあります。
- 皮を剥く
- 水またはお湯でしっかりと洗う
- 重曹を使って洗う
- 市販の野菜洗浄剤を使う
- 塩水または酢水に浸ける
詳しくは以下で解説しているので、そちらをご覧ください。
関連記事 残留農薬を除去する5つの方法
残留農薬の多い野菜や果物の対策をしっかりしよう:まとめ
まとめ
- 残留農薬が多かったものとして、いちご、ほうれん草、ケールなどがある
- 逆に少ないものは、アボカドやコーン、パイナップルや玉ねぎなど
- 残留農薬は皮を剥いたりしっかりと洗ったりすれば低減できる
今回は、EWGの調査をもとにアメリカで作られた46の野菜と果物の残留農薬ランキングについて解説しました。
効率的・安定的に食べ物を生産するためには農薬は欠かせませんが、残留農薬が多く健康に害を与えてしまっては元も子もありません。
が、安定的に食品を供給するためにも農薬を使うのをやめるわけにはいかないので、個人でしっかりと対策することが大切になるでしょう。
残留農薬がある場合でもしっかりと対策をすればある程度低減や除去もできるので、そこまで心配する必要はないとは個人的に思っています。
残留農薬を気にしすぎてオーガニック食材ばかりを買って不必要にお金を使ってしまって野菜や果物を食べる量が減ってしまうよりも、しっかりと対策をしつつ、バラエティ豊かにたくさん食べていく方が大事な気はします。
何事も裏表はあるので、出来るだけネガティブな部分は抑えつつプラス面を享受していきたいものですね。