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水分補給は大事です!
なんてことはよく聞きますし、誰もが認識していることかと思います。
特に夏場のアウトドアスポーツ中に脱水症状で倒れて搬送、なんてニュースもよく耳にします。
しかし実は水分補給の大切さは、熱中症の予防のみに限りません。
ということで、今回は水分補給をしないと起こる怖いこと4つについて解説し、1日に取るべき水分量についても見ていきたいと思います。
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水分補給をしないと起こる怖いこと4つ
水分補給をしないと起こる怖いこと4つは、以下です。
水分不足で起こること4つ
- 身体能力の低下
- 認知機能の低下
- 活力の低下
- 健康問題の誘発
では、以下でそれぞれ解説していきます。
水分不足で起こること①:身体能力の低下

水分補給をしないことで、私たちの身体能力や身体的なパフォーマンスの低下が起こります。
2008年の研究では、研究では体重の3%の水分が低下した状態での無酸素運動のパフォーマンスが測定されました。
結果は、脱水状態は脱水していない状態に比べて、
- 平均パワーが7%(上半身)、19.2%(下半身)低下
- 最大パワーでは14.48%(上半身)、18.36%(下半身)減少
となっています。
2015年に行われた質の高い9件の論文をまとめたレビュー論文でも、脱水症状では身体パフォーマンスが低下するという同様の傾向が確認されております。

水分が不足すると身体的パフォーマンスが下がるのはほぼ確実でしょう。
適切に行えばパフォーマンスUP?
逆に適切に水分補給することで身体パフォーマンスを向上させる、または最大限発揮できる可能性があります。
2018年の研究では、20歳前後の15名のアスリートをいつも通り水分補給してもらったグループ(A)と、個別に最適化された水分補給をしたグループ(B)に分けて、身体パフォーマンスを比較しました。
その結果、以下のことが判明しました。

最大限パフォーマンスを発揮したいなら、水分補給はマストということですね。
水分不足で起こること②:認知機能の低下

水分補給を怠ると身体的なパフォーマンスだけではなく、認知機能にまで悪影響を与えることがわかっています。
2011年の研究では、1.6%の水分を失った状態での注意力やワーキングメモリの変化が調べられました。
その結果、注意力を必要とするテストではミスが増加しワーキングメモリの働きが低下していることが示されています。
ワーキングメモリとは、暗算などする際に一時的に頭の中に記憶しておく能力のことです。
また、2018年に行われた様々な研究をまとめたメタ分析でも、同じように2%の水分を失うと脳の実行機能や注意力が低下するという結果が出ています。

水分不足で頭を使う作業するのは避けた方が良さそうですね。
関連記事 たった25mlで頭が良くなる飲み物とは?
水分不足で起こること③:活力の低下

水分を補給しないことで、活力が低下する可能性があります。
先ほどと同じ2011年の研究では、1.6%の水分を失った状態では、休憩中の疲労感や緊張、不安が増加したことが示されています。
また、運動中も疲労感が増加したようです。

水分をしっかり摂っていないと疲れやすくなって活力が出なくなるようですね。
水分を摂ると回復する?
水分を摂取することで、水分不足によってもたらされる疲労感や気分の低下を回復することができる可能性があります。
先ほどとは別の2019年の研究では、水分不足の状態と水分補給後の認知パフォーマンスが比較されていました。
水分不足と認知パフォーマンスの関係についてはこれまでも見てきた通りですが、水分を補給した後はパフォーマンスが向上しただけではなく、疲労感や気分の改善も見られたようです。

なので、水分不足による疲れやイライラなど気分の低下は水分を補給することで和らぐかもしれませんね。
水分不足で起こること④:健康問題の誘発

水分補給をしないことによって健康問題を誘発する可能性もあります。
代表的なのは頭痛です。

私は外出時に水を飲んでいないと頭が痛くなりますが、多分水分不足が原因でしょう。
水分不足による頭痛の誘発はかねてから言われているみたいですが、最近の研究でも示されています。
2019年のレビュー論文によると、追加で1.5Lの水を毎日飲むことによって
したことが示されています。
とは言いつつも、1つ注意点としては、まだ水分不足と頭痛との関係を示す科学的根拠は限られている点です。
そのため、研究者は慎重な判断が必要ともしています。

個人的には、水分不足によって頭痛は起きると個人の体験から学んでいるので、注意していきたいところです。
水分不足で脳梗塞や心筋梗塞に?
科学的根拠や統計データなどの所在は不明ですが、水分不足が中高年における脳梗塞や心筋梗塞などの大きなリスク要因ともなっているようです。
厚生労働省のホームページでも以下のように指摘されています。
中高年で多発する脳梗塞・心筋梗塞なども水分摂取量の不足が大きなリスク要因のひとつとなっています。これら脱水による健康障害や重大な事故などの予防には、こまめな水分補給が効果的です。
「健康のため水を飲もう」推進運動

こういった突発的に起こってしまう危険な病気のリスクを下げるためにも、水分補給は欠かせないようですね。
どれくらい水分を摂れば良い?

水分補給をしないことで起こる悪影響についてお伝えしてきました。
では、どれくらい水分を摂っておけば良いのでしょうか?
結論としては、これだけ飲んでおけばOKという具体的な数値はないので、意識してこまめに飲むようにしておくのが良さそうです。
ハーバード大学曰く、1日に取るべき水分量は以下によって変動するとしています。
上記は、例えば活動量の多いスポーツ選手や肉体労働者はオフィスワーカーよりも水分を多く取るべきで、子供や高齢の方は若年・中年の人よりも多く水分を摂るべきといったように、人それぞれにあった水分摂取量があるという事です。

つまり、万人に当てはまる水分摂取量はないのです。
でも、実際どれくらい飲めばいいの?
とはいえ、なんとなくの目安でもいいから知りたいという方も多いでしょう。(私です...)
そういう時は一旦政府の推奨量を見て参考にしておきましょう。
厚生労働省の見解
日本政府(厚生労働省)によると、「人は1日に2.5Lの水分が必要で、そのうち飲み水として1.2Lほど摂取するように」としています。
必要な2.5Lうちの残り1.3Lは、食事から1L、体内の生成で0.3Lとなっています。
個人的には少し少ない気もしますが、目安量の策定は個人差やデータ不足で難しいとしているため、あくまでも参考程度としておくほうが良いでしょう。
イギリス政府の見解
イギリス政府によると、1日6~8カップ(またはグラス)分の水を摂取することが推奨されています。(参照)
1カップは約240mlで1グラスは200~250mlとされているので、大体1,200~2,000mlぐらいの摂取になります。

日本政府と同じぐらいかちょっと多いぐらいですね。
ふくまるの見解
一概にこれだけ飲めばOKとはなかなか決めづらいものの、よく言われている1日1~2Lのお水というのを守っていればそこまで深刻な水分不足にはならないんではないかなと個人的には思います。
ただ、

気づいたら数時間お水を飲んでいなかった!
なんてことにならないように、1時間毎など定期的にこまめにお水を飲むようにするのが効果的です。
また「お水を飲むことで注意力や記憶力が向上した」という研究もあったりするので、頭を使う作業を行う前には必ず飲んでおくことを推奨します。
ぜひこまめにお水を取るように心がけてください。
腎臓、心臓等の疾患の治療中で、医師に水分の摂取について指示されている場合は、その指示に従ってください。
まとめ
今回は、水分補給をせずに水不足になった場合に、身体能力や認知機能、活力が低下することについてお伝えしました。
1日にどれくらいの水分を摂取すれば良いのかという量が決まっているわけではないですが、目安として食事以外で1.2~2Lの水分を摂ることが推奨されているようです。
喉が渇いたと感じてからでは遅いので、1時間毎など定期的にこまめにお水を飲むようにして、知らぬ間に水分不足に陥ってしまうことがないようにお気をつけください。