マグネシウムは栄養素の1つとしても、みなさんも聞いたことがあるかと思います。
しかし、マグネシウムが実際にどのような役割を果たしているのか、不足すると何か健康に悪いのか、などについて詳しく知らないかと思います。
ということで今回は、マグネシウムの役割、健康への影響、マグネシウムが豊富な食材など、マグネシウムについて解説していきたいとおもいます。
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マグネシウムの概要

マグネシウムとは、私たち人間が生きていくために欠かせないミネラルの1種です。
成人の体内に約20~30gほど存在しており、そのうちの50~60%ほどが私たちの骨の中に存在しています。(残りは筋肉や脳・神経に存在)
どのように吸収されるか
マグネシウムは主に腸で吸収され、摂取したマグネシウムの半分ほど(40~60%)ほどが腸管から吸収されるようです。(参照)
ただし、毎日の摂取量によってその吸収率は変化し300~350mg/日の場合だと30~50%ほどの吸収率となり、摂取量が少なくなると吸収率は上昇します。
また、子供の場合はより高い吸収率のようで、約 60〜70%ほどになります。
1日の推奨量と摂取上限
マグネシウムの1日の推奨摂取量は、成人男性だと1日340~370mgほど、成人女性だと270~290mgです。(参照)

妊婦さんの場合は、それに加えて+40mgほど多く摂取することも推奨されています。
摂取上限に関しては、食事から摂取する場合は特に設定されていません。
というのも、基本的には摂りすぎたマグネシウムは腎臓で排出されるためです。
ただし、サプリなど食事以外からマグネシウムを摂取する場合は、過剰摂取による下痢等を引き起こすことから350mgが上限として設定されています。
マグネシウムの働き

マグネシウムの主な働きは以下の通りです。
上記からも見て取れるように、マグネシウムは体の機能を維持するのに欠かせない役割を果たしています。
特に骨の健康維持に重要な役割を担っており、しっかりと摂取することで高齢者の骨密度を上げて骨粗鬆症などのリスクを低下することが期待されています。(参照)
マグネシウムの懸念点

マグネシウムの懸念点としては、取り過ぎによって引き起こされる健康上の問題があります。
余分なマグネシウムは腎臓によって排出されるため、通常の食事によってマグネシウムを過剰摂取することはありませんし、過剰症になることはありません。
しかし、腎機能が低下している場合に血中のマグネシウム濃度が高くなる高マグネシウム血症が生じやすくなり、血圧低下や吐き気、心電図異常などの症状が現れるようです。(参照)
また、サプリなど食事以外からマグネシウムを摂取している人は過剰摂取に陥り下痢を起こすこともあるようです。
マグネシウムが不足すると?

マグネシウムが不足することによる影響は以下のとおりです。(参照)
上記のようにマグネシウム不足によって生活習慣病のリスクが増加したり、筋肉の痙れんなど体がうまく機能しなくなるため、不足しないように必要量の摂取を心がけるのが大切です。
日本人はマグネシウム不足?
厚生労働省が出している『令和元年 国民健康・栄養調査』によると、
- 男性(20~39歳)の平均摂取量は、227~236mg/日
- 男性(40歳以上)の平均摂取量は、251~298mg/日
- 女性(20~39歳)の平均摂取量は、192~205mg/日
- 女性(40歳以上)の平均摂取量は、219~275mg/日
となっています。
推定平均必要量は成人男性で270~310mg/日、成人女性で22~240mg/日とされていますので、年齢にもよりますが、マグネシウムが若干不足しているようです。
また、推奨摂取量340~370mg(男性)、270~290mg(女性)にはまだまだ足りていません。

特に若い世代(20~39歳)は摂取量が比較的低めなので、特に注意した方が良さそうです。
最低でも必要量、できれば推奨量は超えるようにマグネシウムを摂取するようにしましょう。
以下でマグネシウムを豊富に含む食材を紹介していくので、マグネシウム不足の予防のためにぜひ毎日の食卓に取り入れてみてください。
マグネシウムが豊富な食材

マグネシウムは、藻類、魚介類、穀類、野菜類、豆類などに多く含まれています。
以下に比較的日常的に摂取しやすい高マグネシウムな食材をまとめてみました。
高マグネシウムな藻類
食品名 | マグネシウム量(mg/100g) |
---|---|
あおさ 素干し | 3,200 |
あおのり 素干し | 1,400 |
わかめ 乾燥わかめ 素干し | 1,100 |
刻み昆布 | 720 |
ほしひじき ステンレス釜・鉄釜 乾 | 640 |
カットわかめ 乾 | 460 |
上記の海藻だとかなりの少量でも多くのマグネシウムを含んでいるようです。
わかめや昆布など割と何にでも使えるようなものでかなりのマグネシウム量なので、この辺りを積極的に取るようにすると良さそうですね。
高マグネシウムな魚介類
食品名 | マグネシウム量(mg/100g) |
---|---|
加工品 干しえび | 520 |
しらす干し 半乾燥品 | 130 |
あさり 生 | 100 |
はまぐり 生 | 81 |
きんめだい 生 | 73 |
藻類と比べると全体的に少し含有量は下がりますが、一度に多く取れるので取る量でカバーできそうですね。

アサリとわかめの味噌汁など作れば、かなり良いマグネシウム源になりそうです。
高マグネシウムな穀類
食品名 | マグネシウム量(mg/100g) |
---|---|
オートミール | 100 |
[水稲めし] 発芽玄米 | 53 |
全粒粉パン | 51 |
ライ麦パン | 40 |
そば ゆで | 27 |
ぶどうパン | 23 |
マカロニ・スパゲッティ ゆで | 20 |
穀類ではオートミールや炊いた発芽玄米、全粒粉パンなどにマグネシウムが多く含まれているようです。
全体としては殻付きだとやはり栄養価が高くなるみたいですね。
高マグネシウムな野菜類
食品名 | マグネシウム量(mg/100g) |
---|---|
切り干しだいこん 乾 | 160 |
らっかせい(未熟豆) ゆで | 100 |
えだまめ ゆで | 72 |
ほうれんそう(葉) 生 | 69 |
オクラ ゆで | 51 |
ケール(葉) 生 | 44 |
ほうれん草やケールなどはアンチエイジングには欠かせない食品なので、マグネシウムの摂取だけではなく、そういった意味でも毎日積極的に取っていきたいですね。
高マグネシウムな豆類
食品名 | マグネシウム量(mg/100g) |
---|---|
きな粉 全粒大豆 黄大豆 | 260 |
油揚げ 焼き/生 | 150 |
糸引き納豆 | 100 |
木綿豆腐 | 57 |
絹ごし豆腐 | 50 |
豆腐や納豆に割と多めに入っているみたいなので、豆類ではこの辺りを毎日摂るようにしておくと良さそうですね。
体に必須のマグネシウム:まとめ
今回は、マグネシウムという栄養素について詳しく見ていきました。
マグネシウムは健康の維持には欠かせない栄養素で、不足するとさまざまな病気のリスクが上がってしまうようです。
日本人は若干不足気味なので推奨摂取量に達するように、マグネシウムが豊富な食材で紹介した食材を毎日積極的に取っていくようにすると良さそうですね。