広告 健康

トランス脂肪酸と日本:世界と異なる独特な価値観

2023年9月14日

※当サイトではアフィリエイト広告を利用しています。

トランス脂肪酸の食品ラベル

みなさんトランス脂肪酸はご存じでしょうか?

トランス脂肪酸とは、液体の植物油や魚油から半固体又は固体の油脂を製造する加工過程(水素添加)で生じる物質です。

このトランス脂肪酸が体に悪いとはよく知られていますが、日本政府や企業はどのような見解や対応をしているのでしょうか?

そして、その対応は世界の他の国々と比べてどう違うのでしょうか?

今回は、トランス脂肪酸に対する世界各国、日本政府と食品企業の見解や対応に焦点を当て、詳しく解説していきたいと思います。

トランス脂肪酸を摂ることでどうなる?

心臓を傷めている男性

まず、具体的にトランス脂肪酸の摂取によってどのような影響があるのかを簡潔にお伝えしておきます。

トランス脂肪酸を摂取することによって以下のような影響があることがさまざまな研究で判明しています。

トランス脂肪酸の影響

  • 体重の増加やお腹周りの脂肪増加(1
  • LDL(悪玉)コレステロールの増加・HDL(善玉)コレステロールの低下に伴う心臓発作や脳卒中リスクの増加(1, 2
  • 第二型糖尿病のリスク増加(1
  • 脂肪肝や糖尿病などの代謝異常のリスク増加(3

トランス脂肪酸を多く摂取することで上記のような健康への影響がわかっており、実際にWHOの試算によると、世界では毎年最大50万人がトランス脂肪酸の摂取に起因する心臓病よって早死しているとしています。

そのため、1日の摂取量は2g以下(できるだけゼロに)することが望ましいとされています。

世界各国でのトランス脂肪酸への見解・対応

世界地図

そんなトランス脂肪酸は世界ではどのような扱いをされているか、主要な国の見解・対応を簡単に以下にまとめてみました。

主にアメリカやEUなどの西欧の国々と、おとなり韓国と中国の対応について見ていきます。

国名見解・対応
アメリカ・トランス脂肪酸を含む部分水素添加油脂はGRAS(一般的に安全と認められる)の対象から除外
・加工食品中のトランス脂肪酸の含有量の表示を義務づけ
・2015年に部分水素添加油脂の食品への使用規制
イギリス・多くのイギリス人はそれほどトランス脂肪酸を摂取していない
・水素添加油を食品に使う場合は、原材料表示に記載する
・規制などはせず、企業に対してトランス脂肪酸を削減するよう奨励する自主ガイドラインを提示
EU・消費者の健康寿命の増進や医療費削減などのためにトランス脂肪酸の規制が必要
・食品中に含まれるトランス脂肪酸の濃度上限を設定
・原材料として水素添加油脂を用いる場合の表示の義務付け
中国・一般的には摂取目標未満ではあるが、今後トランス脂肪酸を含んだ加工食品の摂取量が増加すると見込まれることから、適切な注意喚起が必要
・原材料として水素添加油脂を用いる場合の表示の義務付け
乳幼児用食品への水素添加油脂を使用を禁止
・特殊調製食品、乳児用調製食品については、総脂肪酸に占めるトランス脂肪酸の割合が3%を超えてはならない
韓国・一般的に摂取量は欧米と比べてかなり少ない
・栄養成分の1つとしてトランス脂肪酸の含有量の表示を義務付け
農林水産省HP参照

もりま

こうして他国の対応を見てみると、ラベル表示の義務化や使用制限等行なっている国が多いですね。

上記以外にも様々な国で様々な対応をしているようなので、気になる方は農林水産省HPをご覧ください。

日本での主要アクターの見解・対応

日本の国旗と東京の街

次はトランス脂肪酸に対する日本での主要アクターの見解について見ていきたいと思います。

ここでは主要アクターとして、日本政府、日本の食品業界、日本の消費者の3つの観点からトランス脂肪酸に対する見解を紹介していこうと思います。

日本政府の見解

今回、日本政府の見解を探るにあたり、農林水産省のトランス脂肪酸に関するページを参考にしました。

日本政府のトランス脂肪酸に対する見解を一言でまとめると、以下のようになります。

政府の見解

通常の食生活をしている場合は、トランス脂肪酸による健康への害は小さいと考えられる。

そのため、現状特に食品への表示義務や規制等は行なっていない。

もりま

先ほど見た世界各国の対応とはかなり異なるみたいですね。

政府見解のポイント

もう少し詳しく、政府の見解のポイントをまとめると以下のようになります。(参照

ポイント

  • 日本人の平均的な摂取量は比較的低く、健康への影響を評価できるレベルを下回っている
  • 脂質摂取が多い人はトランス脂肪酸の摂取量も増える傾向があるので注意
  • しかし、食生活指針を守っていれば心臓病のリスクが高まる(トランス脂肪酸の影響を受ける)可能性は低い
  • トランス脂肪酸よりも塩分や脂質などすでに日本人が摂り過ぎであるものの摂取を抑えることを優先すべき
  • トランス脂肪酸摂取目標量は定めていない
  • しかし、WHOの基準に沿って1日の総摂取エネルギー量の1%相当より少なくする(できるだけ少なくする)のが望ましい

上記を踏まえて再度政府の見解をまとめると、一般的な日本人はそこまでトランス脂肪酸を摂取しておらず、健康への影響も微々たるものなので、特に規制などは設けなくても良いでしょ、てな感じです。

ただし、摂りすぎによる健康への影響を防ぐためにもできるだけ取らないようにしてくださいね。とも言っているので、対策は個人に任されているようですね。

日本の食品業界の見解

日本の食品業界の見解を調べるにあたり、いくつかの企業ページを見てみました。

それらを一言でまとめるとすると、以下のようになります。

食品業界の見解

企業努力によって、マーガリンなどに含まれるトランス脂肪酸はかなり低減し、自然のもの(牛肉やバターなど)と比べても低い。

なので、トランス脂肪酸を気にせず安心して食べてほしい

今回は主にトランス脂肪酸を含む商品を販売している企業をみたので、見解としては妥当かなと感じます。

つまり、トランス脂肪酸を悪く言いすぎる、摂らないように勧めすぎると自社の商品が売れなくなってしまうからです。

とはいえ、トランス脂肪酸の含有量の低減に努めている企業も多く、そのあたりは努力しているみたいですね。

企業の対応はまちまち

企業間での見解は、先ほど述べたもので大方一致していましたが、部分水素添加油脂を使用しない、食品ラベルの含有量を表示しているかなどの対応は企業ごとに異なっていました。

また、表示している場合でも全商品ではなく一部商品に限られているので、0gの場合(0.3g以下は0g表記可能)のみ表示し、それ以外の場合は表示しないなんて思惑も透けて見える感じがします。

さらに、製品個々への表示ではなくホームページのみに記載するなどもしており、情報提供はしているものの消費者からできるだけ遠ざけたい思惑も感じ取れますね。

まぁネガティブイメージがつくので、企業として仕方ない気もしますが。

日本の消費者の見解

最後に、我々日本の消費者のトランス脂肪酸に対する見解について見ていきたいと思いますが、皆さんはどのような意見をお持ちですか?

おそらく多くのメディアでの扱われ方や健康法などでもトランス脂肪酸を避けるように言われることが多いので、トランス脂肪酸に対するネガティブなイメージが強い人も多いかと思います。

X(旧Twitter)などを見てみても、「トランス脂肪酸を摂らないようにしよう!」といった発言が多く、トランス脂肪酸に対するネガティブな見解が見て取れます。

私もネガティブな見方が強く、植物油脂などが入っているパンやお菓子はできるだけ買わないようにしています。

多くの人は日常でそこまで気にしていない方でも、「トランス脂肪酸」と聞けばなんとなく体に悪いものという印象の方も多いでしょう。

トランス脂肪酸への独特な価値観をもつ日本:まとめ

まとめ

  • 世界各国ではラベル表示義務や使用規制などの対策がされている
  • 日本では平均的な摂取量が低いなどの理由から、そういった対策もなく企業努力に任せられている
  • 日本の食品会社は低減対策を行なっている
  • 日本の消費者はネガティブな見方が強い

今回は、主に日本におけるトランス脂肪酸への見解・対応について見ていきました。

世界と比べて特段政府による規制などないことに少し驚きましたが、データにも出ているように一般的な日本人はそこまで摂取していないと思われるので、そこまで神経質にならないでよいのかもしれないですね。

とはいえ、トランス脂肪酸の摂取による健康への影響はほぼ確実なので、できるだけ避けて1日0gを目指していくようにする方がよさそうですね。

ブログランキング・にほんブログ村へ

-健康
-,