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食べ過ぎの原因はあなたではない!?食べ物のサイズの影響②

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食べ過ぎ

 

「肥満」

「リバウンド」

この2つの言葉は何とも嫌な響きでありますよね。

 

それは少しいい過ぎましたね。

しかし、「肥満」や「リバウンド」に悩まされている方は大勢いるかと思います

実際、厚生労働省の統計によると、この10年ほど日本人男性の約3割、女性の約2割が肥満であるとされています(1)。

 

そして、「食べ過ぎ」が「肥満」や「リバウンド」の原因の1つになっていることはよく知られているかと思います。

 

では、なぜ私たちは「食べ過ぎ」てしまうのでしょう?

 

その理由の1つとして前回「食べ物のサイズ」が私たちを知らず知らずのうちに「食べ過ぎ」へと導いているというお話をしました。

http://geeky-foody.com/2019/09/21/eatingalot-portion-size1/

 

簡単にまとめると、

・食べ物が大きいサイズで提供された場合、自然と食事量が多くなり食べ過ぎてします。

・その理由として、我々は一人前として出されたものは適量サイズと思い込んでしまうという「ユニットバイアス」があるから

とのことでした。

 

今回は、少し違った角度から「食べ物のサイズ」に起因する「食べ過ぎ」の原因について考えていきたいと思います。

 

食べ過ぎの原因はあなたではない!?食べ物のサイズの影響②

ハンバーグ 大盛り

 

今回は「食べ物のサイズ」の影響について、2019年に出た論文(2)に基づいて考えていきたいと思います。

 

食べ物のサイズが私たちの食べる意思に影響する?

先に結論を言いますと、「食べ物のサイズ」は「私たちの食べる意思」に影響を与えます。それによって、「食べ過ぎ」に繋がってしまうのです。

つまり、「食べ物のサイズ」によって私たちの「どのくらい食べよう」といった意思が左右され、「もっと食べたい・食べよう」と思わせるサイズが私たちを「食べ過ぎ」へと導いているのです。

 

しかし、これだけ聞いてもまだ少し「??」が残ると思うので、順を追って説明いたします。

 

「食べ物のサイズ」と「食べる意思」の関係

 

この研究(2)では、

① 人々が「普通サイズ」と判断するのはどのくらいの範囲なのか

②「普通サイズ」もしくは「普通サイズでない」と判断した場合に、どのように「食べる意思」が変化するのか

の2つの事柄を調査しています。

 

「食べ物のサイズ」と「食べる意思」の検証方法

①を検証するために、

・サイズの違う5つの食べ物を被験者に見せて、「普通より小さい」、「普通」、「普通より大きい」の三つに分けてもらい、6割が「普通」と答えたものを「普通サイズ」の範囲とした。

 

②を検証するために、

①で「普通より小さい」、「普通」、「普通より大きい」と答えた際に、「どのぐらい食べるのか」という意思についても尋ね、認識した食べ物のサイズがどのように「食べる意思」が変化するのか調査。

 

この2つの調査について以下で説明していきます。

 

人は2倍近くの大きさまで「普通サイズ」と判断してしまう?

牛丼 並盛

出典:産経ニュース (https://www.sankei.com/economy/news/190304/ecn1903040017-n1.html) ※画像は筆者により編集。

 

まず、①の「人々が「普通サイズ」と判断するのはどのくらいの範囲なのか」を調査する方法として、

 

・5つの食べ物(オートミール、チキンカレー、トマトソースパスタ、チョコレートケーキ(アイス付き)、ポテトチップス)が対象に10%ずつ大きさを変化させて被験者に見せた。

・変化する食べ物のサイズの範囲は、チョコケーキは基準量(100%)の40%~400%、それ以外は基準値の40%~300%のサイズをそれぞれ被験者に見せた。

※基準値は製造者が規定した、一人前の量に基づく

・そして、これらを「普通」「普通より小さい」「普通より大きい」と判断してもらい、6割の人が「普通」と述べたものを「普通サイズ」と判断した。

 

その結果は、驚くようなものになっています。

 

被験者の6割が「普通サイズ」と回答したものを「普通サイズ」とした結果、「普通サイズ」と判断されたのは、

・オートミール:100%~150%

・パスタ:70%~120%

・カレー:80%~160%

・ポテチ:130%~190%

・チョコケーキ:90%~170%

※100%が一人前の基準量

になりました。

 

この結果からわかることは、

 

普通サイズの下限として、

・パスタ、カレー、チョコケーキは基準サイズより少し小さいもの(70%~90%)が「普通サイズ」と判断されている。

・一方で、ポテチは基準値より大きいもの(130%)が「普通サイズ」と判断されていた。

→ 基準値(100%)より大きいのはポテチだけなので、これらの点に関してはまだ許せる範囲かなと思います。

 

しかし、普通サイズの上限を見てみると、

・全ての食べ物で100%(基準値)を超えており、ポテトチップスに関しては約二倍の大きさのものまで「普通サイズ」と見なされていた。

 

ということです。

 

つまり、被験者が「普通サイズ」と判断したものは、基準よりも大幅に大きい(1.5倍~約2倍)ということが示されました。

 

これは恐ろしいですね。。。「普通」と思っていたものが、実は基準値の1.5倍の大きさだったなんて考えれば、少し怖いですね。

 

この「普通サイズ」の認識の誤りは次の②の結果とも深くかかわってきます。

 

 

「普通サイズ」と判断したものは全て食べてしまう?

ピザ 食べる

次に、②の「普通サイズ」もしくは「普通サイズでない」と判断した場合に、どのように「食べる意思」が変化するのか、について調べられています。

 

検証の方法としては、

・上の①のように「普通より小さい」、「普通」、「普通より大きい」と判断してもらう

・そして「どのぐらい食べるのか」という意思についても尋ね、どのように「食べる意思」が変化するのか調査

・「どのくらい食べるのか」という意思は1~7の7段階で自己評価してもらった

1が「大きすぎるのでほんの少しだけ食べる」

4が「ちょうどいいサイズで、全部食べる」で中間の評価

7が「小さすぎるので全部食べ、さらに食べる」となっています。

つまり、数字が大きくなるほど食べる意思が大きいということになります。

 

 

この研究の結果、

・食べ物のサイズが「普通より小さい」と答えた場合、「それ+もっと食べる(5~7)」と回答する傾向にあった

・「普通サイズ」と回答した場合は「全部食べる(4)」と回答する傾向にあった

・「普通より大きい」と答えた場合は、「少しだけ食べる(1~3)」と回答する傾向にあった

ということがわかりました。

 

参考までに以下に表を載せておきます。

数字が大きいほど余分に食べる意思、数字が小さいほど完食せず少しだけ食べる意思を表しています。(横軸がサイズ、縦軸が食品を表しています。)

食べ過ぎ 表

出典:(2)の論文から引用。筆者が日本語に変換。

 

つまり、繰り返しになりますが、この実験から、

・食べ物が小さいと判断した場合は提供されたもの以上を食べる意思を示す(7に近い)

・食べ物が普通サイズと判断した場合は提供されたものを完食する(中間の4に近い)

・食べ物が大きいと判断した場合は少しだけ食べ、完食しない(1に近い)

ということが明らかになりました。

 

この結果だけ見ると「なんだよ、当たり前じゃん」と思うかもしれません。

確かに、普通サイズ(1人前)の半分ぐらいだと物足りないのでもっと食べようという気になります。反対に、普通サイズより2~3倍大きいものは完食しようという気にはなりませんよね。

このあたりは、経験や直感からなんとなく想像できるかと思います。

 

しかし、この②の結果を①と照らし合わせると少し恐ろしいことが浮かび上がってきます。

 

「食べ過ぎ」の原因がここに?

勘の良い人は既にお気づきかもしれません。

そう。

①の結果で、「普通サイズ」として判断されるものは基準サイズの1.5~2倍近くのモノも含まれていました。

 

そして②で、「普通サイズ」と判断した場合は「完食する」という意思を示す、ということが判明しました。

 

つまり、実験①と②を合わせるとこんな感じになります。

普通サイズと思って食べていても、実は普通ではなく余計に食べてしまっている可能性がある。

ということになります。

 

これが隠れた「食べ過ぎ」の原因であり、「肥満」やリバウンド」に繋がってしまっているんですね。

 

いや~恐ろしい。。。。

 

本当に「食べ物のサイズ」の影響?

今回の論文の結果によると、少し恐ろしい「食べ過ぎ」の原因が判明しました。

 

ただ、この論文にはいくつかの限界点があります。

まず、②で示された「食べる意思」が実際に食べる量に直結して影響するのか、という点です。

例えば、食べ物を見て「普通サイズ」と答え、「完食する」と答えたとしても、実際に食べ始めると意外に多いことに気づき、「完食」しない可能性があります。また、「普通より大きい」と判断し、「完食せず、少し食べる」意思を示していても、食べ始めると「完食」してしまった。なんてこともあるかもしれないということです。

この点に関しては、さらなる研究が必要とされています。

 

また、この論文の結果を「一般化」できるのか、という点に関して少し疑問点が残ります。

というのも、被験者はイギリスのリバプール大学の生徒とスタッフの計60人程を対象としています。

なので、日本人にも同じ傾向があるのかは少し疑問点が残るところではあります

特に、①の結果の「普通サイズ」の判断のところに関しては、日本人と欧米人の違いがあるかもしれません。欧米は割とサイズが大きかったりしますからね。

 

しかし、前回も述べたように、私たち人間は「ユニットバイアス」というものを持っており、一人前、もしくは一皿で出されたものは「1人分として適量」とみなす傾向があります。なので、1人前で出されたものの量は注意が必要です。

これを機に一度自分が普段「普通サイズ」と思っているものが、本当に基準通りか(適量なのか)をチェックしてみるのも良いかもしれません。

 

誰にでも勘違いや思い込みはありますからね。

 

まとめ

今回は前回に引き続き「食べ物のサイズ」がどのように私たちを「食べ過ぎ」へと導いているのかについて見てきました。

まとめると、

・「普通サイズ」と思っても、基準の1.5~2倍のサイズのものがある。

・「普通サイズ」と判断した場合、「完食する」意思を示す。

→ 基準の1.5~2倍の量の「普通サイズ」を完食し、「食べ過ぎ」に繋がってしまう。

 

ということでした。

 

「食べ物のサイズ」による「食べ過ぎ」を防ぐためには、一度「普通サイズ」と思っているもののカロリーや大きさを基準値と同等なのか見てみるといいかもしれません。

私も一度普段食べているものをチェックしてみようと思います。少し怖いですが。。。

 

最後までご覧いただき有難うございました。

 

 

 

参考文献

1.厚生労働省, 2018. 平成 29 年 国民健康・栄養調査結果の概要. URL https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000351576.pdf (accessed 9.22.19)

2.Haynes, A., Hardman, C.A., Makin, A.D.J., Halford, J.C.G., Jebb, S.A., Robinson, E., 2019. Visual perceptions of portion size normality and intended food consumption: A norm range model. Food Qual Prefer 72, 77–85. https://doi.org/10.1016/j.foodqual.2018.10.003

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