いきなりですが!
皆さんはお肉が好きですか?
お肉好きで毎日食べているという方も多いと思います。
しかし、お肉を生産している「畜産業」に関する問題はご存知でしょうか?
実は畜産業が、現在問題になっている気候変動の主な原因だったとしたらどうでしょう?
そんな畜産業が我々にもたらす影響や畜産業の現状について伝えてくれているのが、この映画『Cowspiracy(カウシピラシー)』です。
ということで、今回は『Cowspiracy(カウシピラシー)』の基本情報やあらすじに加えて、映画でキップ監督が伝えようとしているメッセージについて解説していきたいと思います。
自分たちのため、これからの子供たちのために地球環境を守っていくためには非常に大切なことを伝えてくれています。
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- 『Cowspiracy』の情報
- 『Cowspiracy』のあらすじ
- 『Cowspiracy』の3つのメッセージ
タップできる目次
『Cowspiracy(カウシピラシー)』の作品情報
映画の基本情報
原題:Cowspiracy - The Sustainability Secret
公開年:2014年
- 監督:キップ・アンダーセン、キーガン・クン
- ジャンル:ドキュメンタリー
- 主演:キップ・アンダーセン
映画の概要
「どのように工場式農場が地球の天然資源を破壊しているのか、そしてなぜこの問題は多くの環境保護団体に無視されてきたのか」(Netflixの『Cowspiracy』概要より)
『Cowspiracy(カウシピラシー)』は上記のように、畜産業と地球環境問題との関連を追及したドキュメンタリーとなっています。
世界中の主たる環境保護団体が包み隠す真実を監督であるキップ氏が自ら取材をしていき、暴いていきます。
つまり「環境保護団体が私たちに見てほしくない映画」となっています。
タイトルの意味は?
映画のタイトルにもなっている『Cowspiracy(カウシピラシー)』は、実は「Cow(牛)」と「Conspiracy(陰謀)」を掛け合わせた造語です。
この映画で暴露荒れてしまいますが、牛を育てている畜産業には何かしらの陰謀が隠されていました。
そんな私たちの知らない畜産業の陰謀を暴いていくこの映画のための造語であり、ぴったりのタイトルです。
『Cowspiracy(カウシピラシー)』のあらすじ
この映画は、気候変動を懸念しているキップ監督が車や飛行機などが気候変動の原因であると主張されていることに疑問を持ったことが始まりです。
そこから彼は国連のレポートなどを読み、農業(特に畜産業)が運搬業全体よりも温室効果ガスを排出しているということを発見します。
その後世界中のメジャーな環境保護団体(グリーンピースなど)のウェブサイトを見てみると、畜産業のことについて触れている団体がないことに気づき、ここに何かしらの「陰謀」が隠れているのでは?と自身で各団体への取材を開始します。
そしてその取材を通じて、環境保護団体がひた隠しにしている畜産業の不都合な真実が次々と暴かれていきます。
例えば、
- アメリカ人全体の水の使用量は年間約3800億リットルなのに対し、家畜産業は年間約12兆リットルも水を消費している
- クォーターパウンダーバーガーを1つ生産するのに約2,500リットルもの水を使用(シャワー2か月分に匹敵)
- アマゾンの森林破壊の91%は畜産業に起因
- 畜産業は酸欠海域や生息域破壊、種の絶滅の原因になっている
などなど。
ここにあげたのはほんの一部ですが、畜産業が地球環境に多大な影響をもたらしているのはお分かりいただけるかと思います。
本作ではこういった畜産業がもたらす真の影響について暴かれていきます。
しかし、こういった畜産業にまつわる問題が地球環境の保護を推進する団体のウェブサイトに掲載されていないのです。
また、政府のウェブサイトにも家畜産業への言及はなく、家庭でのスプリンクラーの取り換えや節水・節電を促しているのみとなっています。
そして、「なぜ畜産業のことに触れていないのか」ということをキップ監督に突っ込まれた政府関係者や環境団体の代表は、一様に言葉を濁してしまいます。
ここで、キップ監督は牛(Cow)を含めた畜産業の陰謀(Conspiracy)が隠されていることに気づきます。
その後も答えを求めるべく取材を続けるキップ監督ですが、畜産業の闇に踏み込みすぎたせいか映画の資金を提供している団体からも資金提供を中断されてしまいます。
さらに、過去にブラジルで家畜産業の反対運動を行なっていた多くの人が殺害されたこと(人々が家畜産業に触れない理由の一つ)も聞かされ、自身の命を守るためにも今後の取材を取りやめるか悩みます。
しかし、意を決して取材を続けることに決めたキップ監督は、その後も家畜産業にまつわるさらなる問題を暴いていきます。
センスのある作りと説得力のあるデータを用いて家畜産業の問題を暴き、どんどん引き込まれていくので最後まで飽きることはありません。
畜産業の陰謀の全貌を知りたい方は、ぜひ自分の目で確かめてみてください!
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『Cowspiracy(カウシピラシー)』の感想・評価
この映画は個人的にとても学びになることが多く、多くの人に見てもらいたいと思った作品です。
というのも、個人的に日本人は家畜産業がもたらす地球への影響についてあまり関心がなく、知っている人も少ないと感じるからです。
また、自分の都合の悪いデータや事実は隠そうとする企業や政治団体などの「陰謀」も暴き、ますます自分で考えて何が正しいのかを見極める必要があるなと感じました。
そんな畜産業にまつわる不都合な真実を暴いた『Cowspiracy(カウシピラシー)』が伝えようとしているメッセージは以下の3点かなと思います。(あくまで個人的な見解です。)
- 家畜産業は地球環境に膨大な影響を与えている
- 地球環境を保護するには人類がヴィーガンになる必要がある
- 資本主義システムがもたらす弊害
家畜産業は地球環境に膨大な影響を与えている
この映画が暴いたのは、畜産業が地球にもたらす膨大な影響であり、これが一番のメッセージかなと思います。
あらすじのところでも少し紹介しましたが、畜産業は膨大な地球資源を利用しており、また地球環境を悪化させる原因となっています。
- ハンバーガーを1個作るのに2,500リットルもの水を使う
(2か月分のシャワーの水の使用量と同じ) - 膨大な量の家畜のフンが海に流出
→ 2048年には海から魚が消えると予想される - アマゾンの熱帯雨林では、毎秒アメフト場分の広さが失われている
→ 家畜のえさを栽培するため、家畜を育てる場所の確保
これらはほんの一部であり、こういった家畜産業による地球環境への多大なる影響は紛れもない事実であります。
このデータをどのように解釈するかは個人の自由ではありますが、こういったことが隠されていたことにすごく違和感を感じます。
ただ、私たち消費者も普段食べているお肉を生産している畜産業が、こんなに地球環境に悪だったなんてことは知りたくないというのもまた事実です。
こういったことを知ってしまうと、お肉を食べるときに罪悪感を感じるので知りたくない、知ろうとしないという方も多くいます。
しかし、これは事実であり、お肉を食べようがしっかりと受け止めていく必要があるように思います。
資本主義システムがもたらす弊害
『Cowspiracy(カウシピラシー)』が伝えてくれている2つ目のメッセージは、「資本主義システムがもたらす弊害」だと思います。
少し難しく聞こえるかもしれませんが、要はお金を持っている人に不都合なことは隠されてしまう状態にあるということです。
資本主義とは現在の世界経済の主な仕組みとなっており、「資本(お金)を持つものが資本を持たない労働者を使う」という構造になっています。
この構造から、支援する側が支援される側よりも強い立場になってしまいます。
この関係は環境保護団体とその支援者との間にも存在しており、その団体の資金提供者が畜産業に利害関係がある場合にはその環境保護団体に畜産業の不都合な情報を公表しない、または畜産業のネガティブキャンペーンをしないように圧力をかけることが可能になります。
つまり、その団体がスポンサー(資金提供者)に依存している限り、スポンサーにとって不都合な真実は、たとえ環境保護を推進している団体でさえも公表できなくなってしまうのです。
これが資本主義システムがもたらす弊害であり、この資本主義システムがゆえに一部の資本家が得をし、我々労働者は不利益を被るという構造になってしまっています。
ただ、今回の『Cowspiracy(カウシピラシー)』でキップ監督が命を張って畜産業の真実を公表してくれたおかげで、そういった事実が公になったことは非常に素晴らしいことだと思います。
キップ監督本人も映画の資金提供者から途中で資金提供を断たれるなど、そこでも資本主義システムがもたらす弊害が見受けられましたが、なんとか彼の任務を遂行してくれました。
地球環境を保護するには人類がヴィーガンになる必要がある
そして『Cowspiracy(カウシピラシー)』の最後のメッセージは、「地球の環境を守って我々の人生を守るためにはヴィーガンになる必要がある」ということです。
地球では、現在気候変動や地球温暖化など地球環境の悪化が懸念されています。
この問題に対し、作中では様々な専門家が「地球環境の保護には、人類がヴィーガンになるしかない」と訴えていました。
というのも、ヴィーガンになることで環境への負担を大幅に減らすことができるからです。
例えばこの映画では、カリフォルニア人1人が食生活を変えた場合の地球環境への影響の変化が示されていました。
どれくらい変化するのかというと、カリフォルニア人1人が
- 牛肉を食べるのをやめた場合は1.4トン
- ベジタリアンになった場合は1.6トン
- ヴィーガンになった場合は1.8トン
- ソーラー発電に切り替えた場合は1.4トン
- ハイブリッド車に切り替えた場合は1.78トン
ものCO2の排出を削減できる
つまり、生活を変えることは、政府が推進しているクリーンエネルギーに切り替えるよりも効果的なのです。
さらに、1日ヴィーガンになるだけでも4万リットルの水の節約、20キロ分の穀物の節約、3㎡の森林伐採の回避、5㎏のCO2排出削減、動物1匹の保護につながるようです。
このデータを見ると、1日だけヴィーガンになるというのも悪くないのかもしれません。
また、ヴィーガンの人と肉食の人の食料を賄うために必要な土地の比較データも示されていました。
それによると、農地が4,000㎡あれば、ヴィーガンの生活をしている人の1年の食料を賄うことが出来ます。
しかし、卵と乳製品の消費が加わると3倍(12,000㎡)の農地が必要になり、お肉を食べるのであれば18倍(72,000㎡)もの農地が必要になります。
これは、野菜とお肉によって面積あたりに取れる量が異なるためです。
どれくらい異なるかというと、600㎡の農地からは17トンもの野菜を収穫できますが、同じ面積の農地でお肉を生産する場合は170キロ程度しか得られません。
2050年に世界の人口が100億人に達すると予想されており、全人類がお肉を食べるとすると、いったいどのくらいの土地が必要になるのでしょうか?
「あなたの生活をみんながしたら地球何個必要?」というおもしろいサイトがあったので、一度自分の生活で計算してみてください。
ちなみに私の生活を全人類がすると、地球2.4個必要なようです。。。
少しデータが多くなってしまいましたが、こういったデータから今後地球環境を守り、我々が快適に過ごしていくためには人類がヴィーガンになる必要があると映画では主張されていました。
私の考え
この映画は私自身もすごく興味深い内容となっていました。
お肉にまつわる問題は「お肉好きに知っておいてほしいこと」でもまとめていたので、畜産業の地球環境への影響はある程度知っていたものの、環境保護団体がそういったことを隠していることは知りませんでした。
ただ、映画が求める「人類全員がヴィーガンになる」ということはあまり現実味がなく、災害などにより世界的飢餓などでも起きない限り起こりえないかなと思います。
しかし皮肉にも、今の食生活を続けていると今後ますます地球環境が悪化して農作物が取れなくなり、世界的に飢餓が発生し、ほとんどの人がヴィーガンにならざるを得ないといったようなことも起きる可能性があると考えています。
そういったことは何としても避けなければいけないと思うので、まずはお肉など動物性の食品の消費を減らす「フレキシタリアン」を実践していけばよいのではないかなと思います。
お肉美味しいですもんね。これをやめることはなかなか難しいかと思います。
なので、意識的にお肉の消費を減らす「フレキシタリアン」を実践していけばよいかなと考えます。
そして、このフレキシタリアンは私が思うに最強の食事法でもあり、超おすすめです。
詳細はこちら。
つまるところ、できることからやっていけばよいと思います。
誰も人に強制されてモノを食べたくないものです。
ただ、今回『Cowspiracy(カウシピラシー)』が伝えてくれた真実を受け入れて、少しずつふるまいを変えていければよいなと思います。
【環境保護団体が隠す不都合な真実とは】『Cowspiracy(カウシピラシー)』のレビュー:まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は畜産業の環境への負担の真実を暴いた映画『Cowspiracy(カウシピラシー)』についてお伝えしました。
この映画で明らかとなった畜産業にまつわる問題。
環境の保護を推進している団体が隠していたというところに、闇を感じますよね。
まぁ、現在の畜産業の破壊的な影響と人口増加や肉の需要増加などを考えると、今後人類は食生活の大きな転換を間違いなく求められるかと思います。
それに向けて今からできることは取り組んでおくことが大切かなと思います。
この問題に少しでも取り組みたいと思われた方は、いきなりヴィーガンになるのではなく、まずは「フレキシタリアン」から始めてみてください。
この映画が伝えてくれた真実を踏まえてどう行動していくかは我々次第です。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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