
健康のために食事に気をつけたいけど、なかなかできない...
そんな方に朗報があります!
加齢とともに認知の衰えはどうしても感じてしまいますが、これがカカオから抽出した成分によって予防できるかもしれません。
大好きなチョコレートやココアで認知機能が改善し、アルツハイマーなどの認知症予防ができるとしたら素敵だと思いませんか?
今回は、2024年に出た最新の研究の内容をもとに、カカオと認知機能の関係にすいてわかりやすく解説していきます。
認知症の予防のためにできることを取り組みたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
タップできる目次
認知症とそのリスク因子とは?


まずは、認知症について簡単におさらい。
知ってる人は読み飛ばしてもらってOK!
認知症は、脳の機能が低下し、記憶力や判断力などが衰えていく病気です。
その中でも最も多いのがアルツハイマー病です。現在日本では高齢化と共に、認知症患者が増加しています。
認知症のリスク因子には、加齢、遺伝、生活習慣など様々なものがありますが、近年、食事の質も重要な要素として注目されています。
特に、不健康な食生活は、脳の健康に悪影響を及ぼすことがわかっています。

認知症って、最近よく聞くけど、やっぱり怖い病気ですよね。
せやな。家族の名前もわからんくなるから身内としても悲しいな。
予防のためには、早いうちから、生活習慣を見直すことが大事やで。

チョコレートに含まれる「フラバノール」が脳に良い?

チョコレートやココアの原料であるカカオ豆には、「フラバノール」という成分が豊富に含まれています。
フラバノールは、ポリフェノールの一種で、抗酸化作用や抗炎症作用があることが知られています。
近年の研究では、フラバノールが脳の血流を改善したり、神経細胞を保護したりすることで、認知機能の改善に役立つ可能性が示唆されています。

チョコレートが体に良いって聞くけど、フラバノールのおかげなんですね!
そうや。フラバノールは、脳の血管を広げて、血流を良くする効果があるんや。
血流が良くなると、脳に酸素や栄養がしっかり届くようになって、脳の働きが良くなるんやで。


今回の研究は、この効果をさらに確かめるために行われたんですかね?
その通り!
じゃぁ、次で詳しく研究内容を見ていこか。

ココアで認知症予防?最新研究でわかった驚きの結果

ここからは、今回取り上げる研究の内容と結果をお伝えしていきます。
大規模臨床試験「COSMOS」ってどんな研究?
今回ご紹介する「COSMOS」研究は、アメリカで行われた大規模な臨床試験です。
この研究では、60歳以上の男女約21,000人が参加し、ココア抽出物のサプリメント(500mg)またはプラセボ(偽薬)を毎日摂取してもらいました。
そして、2年間の試験期間の後に、参加者の認知機能がどのように変化したかを、詳細なテストで評価しました。

2万人以上も参加したなんて、すごい規模の研究ですね!
せやろ?これだけ大規模な試験やから、結果の信頼性も高いと言えるんや。

【試験結果】ココア抽出物は認知機能に効果なし!?
上述したように、これまでの研究においてココアに含まれるフラバノールが認知機能の改善に役立つ可能性が示唆されています。
しかし、残念ながら、この研究では、ココア抽出物のサプリメントを摂取したグループと、プラセボを摂取したグループの間で、全体的な認知機能の変化に差は見られませんでした。
つまり、ココア抽出物は認知機能の改善に効果があると言えないという結果になったのです。

ええっ!?ココアは脳に良いって聞いたのに、効果がなかったんですか?
全体的には効果がなかった、という結果やな。
ただ、この研究には続きがあるんやで!

【サブグループ解析】食事の質が低い人には効果あり!
研究者たちは、参加者をさらに詳しく分析するために、「食事の質」に着目しました。
すると、驚くべきことに、食事の質が低いグループでは、ココア抽出物のサプリメントを摂取した人たちの方が、プラセボを摂取した人たちよりも、認知機能のテストのスコアが良いことがわかったのです!
具体的には、食事の質が低いグループにおいて、ココア抽出物摂取群は、プラセボ群と比較して、2年間の全体的認知機能スコアが平均で0.09標準偏差単位良く、特に遂行機能のスコアは平均で0.13標準偏差単位高くなっていました。

食事の質が低い人には、ココア抽出物が効果的だったんですね!
そうなんや!食事の質が低いと、脳の健康に必要な栄養素が不足しがちや。
そんな時に、ココア抽出物を摂取することで、不足している栄養素を補って、脳の働きを助けることができるのかもしれへんな。

日常生活に取り入れるためのヒントと注意点

この研究結果から、特に食事の質が低い人は、ココア抽出物の摂取が認知機能の維持に役立つ可能性が示唆されました。
普段外食などでバランスの取れていない食事が多い人は、認知機能の維持のためにココア抽出物の摂取がお勧めできるでしょう。
しかし、まずはバランスの取れた食事を心がけることが最も重要です。
その上で、カカオ抽出物のようにフラバノールを多く含む食品を積極的に摂取するのがと良いと思います。
フラバノールを多く含む代表的な食品は以下のとおり。

普段の食事に、取り入れられるものが多いですね!
そうやな!
健康的な食生活に加えて、フラバノールを意識して摂取することで、脳の健康維持に役立ててほしいな。

どれくらいの量を摂取すればいい?

毎日どれくらいの量を摂取すればいいですか?
この研究では、1日あたり500mgのココアフラバノールを摂取しているので、それを1つの目安とすると良いでしょう。
ただ、人によって適切な摂取量は異なるため、まずは少量から始めて、様子を見ながら調整するのが良いかと思います。
ココアなら何でもいいの?

ココアなら何でもOKですか?
この研究で使われたのは、カカオ豆から抽出された「ココア抽出物」です。
これは、市販のミルクココアとは違うため、注意が必要です。
ただし、日本では「ココア抽出物」というサプリがあまり販売されていないため、市販のもので代替するなら純ココアや高カカオチョコレートを選ぶのがおすすめです。
薬との飲み合わせは大丈夫?
薬との飲み合わせについては、必ず医師や薬剤師に相談してください。
特に、血液をサラサラにする薬などを飲んでいる場合は、注意が必要です。
まとめ:ココア抽出物は食事の質が低い人の認知機能をサポートしてくれるかも
今回の研究から、ココア抽出物は、特に食事の質が低い人の認知機能、特に実行機能/注意をサポートする可能性が示唆されました。
普段の食生活が乱れがちな人は、ココア抽出物の摂取を検討してみても良いかもしれません。
しかし、まずはバランスの良い食事を心がけることが、認知症予防の第一歩です。
食事、運動、睡眠など、規則正しい生活習慣を送りながら、ココア抽出物を上手に活用して、健康的な毎日を送りましょう!

この研究は、あくまでも可能性を示唆したものや。
今後のさらなる研究に期待したいな!