突然ですが、みなさん。

この問いに「Yes」と答えられる日本人はとても少ないです。(かくいう私もおそらくNo)
というのも、実は日本人の8割がビタミンDが不足しており、4割が欠乏している状態だと言われているのです(参照)
実はこのビタミンD不足や欠乏は世界中で見られる現象で、これがあらゆる病気(特にがんや認知症)の発症に関わっているとされています。
また、ビタミンD不足は新型コロナウイルスの発症や死亡率とも深い関係があると指摘されています。
ということで、今回はあまり知られていないけど実はとても大切な栄養素「ビタミンD」についてお伝えしていきたいと思います。
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ビタミンDとは?

といった疑問を持っている方も多いかと思います。
名前は聞いたことあるけど、どんな働きをしているのか知らないといった方のために簡単に説明していきます。
ビタミンDの主な働きは以下のとおりです。
ココがポイント
- カルシウムやマグネシウムなどの吸収の促進
- 血中カルシウム濃度の維持
- 正常な骨の形成促進
なんだか難しいことを言っている感じですが、ビタミンDは骨の形成に大きな役割を果たしているといった認識ぐらいで大丈夫でしょう。
ただ、それ以外にも近年ビタミンDは、高血圧予防効果や免疫機能の調整機能など様々な役割を果たしていることもわかってきました。
ビタミンD不足は特に女性で深刻
そんな重要な役割を担っているビタミンDですが、日本人の8割がビタミンDが不足、4割が欠乏していると冒頭でも述べました。
中でも、女性の間でのビタミンD不足が深刻であると指摘されています。
2016年に行なわれた慶応大学の研究では、525人の女性(39~69歳)を対象に血液検査をした結果、
- 39~49歳の79%がビタミンD不足、または欠乏
- 50~59歳の75.3%がビタミンD不足、または欠乏
- 60~69歳の72.3%がビタミンD不足、または欠乏
だったことが分かりました。
不足は血中濃度が20~30㎍/ml、欠乏が20㎍/ml以下を指します。

別の研究でも同じような結果に
また、別のレビュー論文では、対象となった論文13件で合計22グループのうち10グループが欠乏しており、21グループがビタミンD不足だったことがわかりました。
つまり、研究対象となったグループの中でビタミンDが正常だったのは、1グループだけだったようです。
以上のデータで指摘されているように、日本人の女性は特にビタミンD不足していることが懸念されています。
なぜ女性のビタミンD不足が深刻なのかは、後ほど解説します。
ビタミンDが不足するとどうなる?
では、ビタミンDが不足するとどうなるのでしょうか?
ビタミンDが不足することによって引き起こされる代表的な症状として、骨の軟化や小児期の骨の発達障害などがあります。

ただ、近年ビタミンD不足がもたらす弊害として注目されているのが、がんや心筋梗塞、認知症などの生活習慣病とされるものです。
これらの詳しい解説はここでは省きますが、どうやらビタミンDの不足や欠乏はうつ病やがん、認知症や心疾患など我々が直面している健康問題と深く関わっているようです。
ビタミンD不足とこれらの病気の関係については、以下の著書で詳しく解説されているのでぜひ一度読んでみてください。
ビタミンD不足は新型コロナと関係あり?
現在において、ビタミンDの不足による最も大きな心配事と言えば、新型コロナとの関係です。
というのも、欧州20か国のデータ分析から、血液中のビタミンDの濃度と新型コロナウイルスの罹患率と死亡率に関係性があることが指摘されたからです。
その研究では、国民の血中のビタミンD濃度の平均値が高いほど、新型コロナへの罹患率と死亡率が低いということが発見されました。
ただ、この研究はあくまで相関関係を見ているものにすぎないので、ビタミンDがコロナへの感染やコロナによる死亡を防いでいるかは明確ではありません。
しかし、ビタミンDは以前から私たちの免疫機能の調整に深く関わっている栄養素であることが言われているので、おそらく何らかの影響は及ぼしていそうです。

なぜビタミンDが不足するのか?
では、そもそもなぜ私たちはビタミンDが不足しているのでしょうか?
その大きな原因は「日光に当たる時間が減った」からだと考えられています。
実は、私たちの体は太陽の光に当たることでビタミンDを体内で生成できるようになっています。
そして、この日光によるビタミンD生成が我々の体内のビタミンD量の多くを占めているのです。
実際に日光に当たることで必要な量の80~90%を生成できると言われています。(参照)
ただ、近年は過度な紫外線対策やオフィスワークなどで外で活動する時間が減り、光によってビタミンDを十分生成できなくなっているのです。
女性にビタミンD不足が深刻な理由
「ビタミンDの大半が日光によって生成されている」というポイントが女性にビタミンD不足が顕著な理由の一つと考えられています。
というのも、最近は夏場でも長袖を着て太陽の光を浴びないようにしている女性も多いですよね。
紫外線によるシミや肌の老化は女性にとっては死活問題です。
なので、紫外線対策が過剰になってしまうのも理解できますが、この行き過ぎた対策が女性の間でビタミンD不足を招いてしまっているのです。

ビタミンDはどれくらいとればよい?
では、実際に我々はビタミンDをどのくらい摂取(または生成)すればよいのでしょうか?
厚生労働省が定める1日のビタミンD摂取量の目安としては、男女とも成人では5.5㎍とされています。
これくらいの量であれば、正直サケを1切食べれば、十分補えます。
しかし、この量(5.5㎍)だと体内のビタミンDが不足してしまう可能性が高いのです。
目安量(5.5㎍)では足りない?
繰り返しになりますが、私たちの体内のビタミンDは日光による生成が大半を占めている一方で、現代人はほとんど日に当たらない生活をしています。
したがって、日光から生成されない分を食事から摂る必要がありますが、それだと5.5㎍だと少ないと言えます。
実際、厚生労働省が行っている「平成30年国民健康・栄養調査」によると、成人男性と女性の平均ビタミンD摂取量が目安値の5.5㎍を上回っています。
しかし、目安値以上の摂取をしているにもかかわらず、日本人の8割がビタミンD不足とされていることからも、その量が十分ではないことが考えられます。
目安量以上の摂取でもビタミンD不足が多数?
ということで、ちょっと調べてみました。
すると、2016年の大阪樟蔭女子大学の研究が、しっかりと目安量の摂取と体内のビタミンDの量の関係を調べてくれていました。
この研究によると、目安量(当時は5㎍)を摂取している人が85%いたにもかかわらず、98%の人がビタミンDの不足または欠乏状態であったことが指摘されています。

また、その研究では「日照の機会が少ない人々にとっては、目安量である5㎍は不十分である」と指摘されていました。
なので、それほど変わらない現在の1日5.5㎍も不十分と言えそうです。
加齢とともに生成量が低下する
日光に当たる時間が減ったこと以外にも、日光によるビタミンDの生成に関する問題がもう一つあります。
それは、日光によるビタミンDの生成力は加齢とともに減少するという点です。
これは生物学的に避けられないことで、個人の努力でどうこうできるものではないようです。
なので、高齢者は特に食事からビタミンDを摂取する必要があります。
この点からも、目安量である5.5㎍では不足する可能性が高いと言えそうです。
アメリカでの推奨量摂取は日本の倍以上?
ちなみに、アメリカでは日本よりも多いビタミンDの摂取を推奨しています。
アメリカの国立衛生研究所は、以下のように1日の推奨摂取量を定めています。
年齢 | 男性 | 女性 | 妊娠期 | 授乳期 |
---|---|---|---|---|
0–12か月 | 10 ㎍ | 10 ㎍ | ||
1–13歳 | 15 ㎍ | 15 ㎍ | ||
14–18歳 | 15 ㎍ | 15 ㎍ | 15 ㎍ | 15 ㎍ |
19–50歳 | 15 ㎍ | 15 ㎍ | 15 ㎍ | 15 ㎍ |
51–70歳 | 15 ㎍ | 15 ㎍ | ||
70歳以上 | 20 ㎍ | 20 ㎍ |
アメリカ国立衛生研究所では、これらの量が人々が健康に生活していくために摂取すべき量であるとしています。
上記の表からもわかる通り、アメリカではどの年齢、性別でも10㎍以上の摂取が推奨されています。

ビタミンDを摂取するには?
それではビタミンDを摂取する方法についてお伝えします。
これまでも少し述べましたが、ビタミンDを摂取する方法は大きく分けて以下の2つです。
ビタミンDを摂取する方法
- 日光に当たって生成する
- 食事から摂取する
方法①日光に当たって生成する
まず、ビタミンDを生成する1つ目の方法である「日光浴」についてお伝えします。
どれくらい日光を浴びれば、十分なビタミンDを生成できるのでしょうか?
季節や年齢等にもよりますが、一般的には夏場であれば15~30分、冬場であれば1時間ほどとされています。

とお思いかもしれませんが、日本人にビタミンD不足が非常に多いことを考えると、これだけの時間も日光に当たっていない生活なのでしょう。
具体的な必要時間はどのくらい?
場所や気候、季節によって、十分なビタミンDの生成に必要な日照時間は異なります。
それを調べてくれている研究を見つけましたので、ご紹介しておきます。
この研究では、札幌、つくば、那覇の三つの地点での夏と冬の時期において、ビタミンDの1日の摂取基準である5.5㎍を生成するのにどれくらい日に当たる必要があるのかを調べてくれています。
その結果は、以下のとおり。
7月 | 12月 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
9時 | 12時 | 15時 | 9時 | 12時 | 15時 | |
札幌 | 7.4分 | 4.6分 | 13.3分 | 497.4分 | 76.4分 | 2741.7分 |
つくば | 5.9分 | 3.5分 | 10.1分 | 106.0分 | 22.4分 | 271.3分 |
那覇 | 8.8分 | 2.9分 | 5.3分 | 78.0分 | 7.5分 | 17.0分 |
上記は5.5㎍のビタミンDを生成するのに必要な日照時間。(独立行政法人国立環境研究所地球環境研究センターから引用)
どうでしょう?
夏場はすごく短い時間で済むようですが、冬場は非常に多くの時間を有するようです。
特に札幌の冬は非常に多くの時間が必要で、また寒さから外に出ない人も多い思うので、次に紹介する食事から摂取していくほうが良さそうですね。
方法②食事から摂取する
ビタミンDを摂取するもう一つの方法は、食べ物からの摂取です。
ビタミンDを多く含む食材の代表例としては、魚類とキノコ類があります。
ビタミンDが豊富な食べ物は以下の通り。(参照)
ビタミンDが豊富な食べ物
- サンマ(14.9㎍/100g)
- サケ(1切れ : 25.6㎍/80g)
- ブリ(1切れ : 6.4㎍/80g)
- 干しシイタケ(2個 : 0.8㎍/6g)
- きくらげ(2枚 : 1.7㎍/2g)
サケやサンマに非常に多く含まれているので、こういった食品を日ごろ食べている人はビタミンD不足にはならなそうですね。
普段こういった魚を食べない人は、今後積極的に食べていくようにするとよさそうです。
他のビタミンDが豊富な食品一覧はこちら
おすすめのビタミンD摂取法
それでは、最後におすすめのビタミンD摂取法をお伝えしたいと思います。
私がおすすめするビタミンD摂取法は2つありますので、順に解説していきます。
おすすめ①日光浴
まず、一つ目が日光に当たってビタミンDを生成する方法です。
これは、何といっても日に当たるだけなので無料でできます。
また、食べ物から摂るよりも非常に効率よくビタミンDを得ることもできます。

ただ、女性であれば特に紫外線によるシミが気になったり、また日に当たりすぎて皮膚がんを招かないか心配があるかと思います。
さらに、高齢者になると日光からのビタミンDの生成効率が下がってしまうため、より長い時間日光に当たる必要が出てきます。
なので、肌の健康が気になる方やご高齢の方には次の方法でビタミンDを摂取することをおすすめします。
おすすめ②サプリメントを使う
美肌を保ちたい女性や高齢者の方には、ぜひともビタミンDサプリメントをおすすめします。
ビタミンDは、安価に生産できるためサプリメントの中でも安い方なので、金銭的な負担にはなりません。
また、日光に当たらない分食事からビタミンDを摂る必要がありますが、サプリを飲んでいるとビタミンDを気にした食事をしなくてもよくなります。

そういったこともあってか、ある調査によると、アメリカではサプリを引用している人の7割近くがビタミンDのサプリメントを使っているようです。
私の愛用ビタミンD
それでは、最後に私が愛用しているビタミンDサプリを紹介しておきます。
私はいつもお世話になっているiHerbで買えるNow foodsのビタミンDを愛用しています。
iHerbでの購入はこちらからどうぞ。
購入時のプロモコードに「BDW0195」を入力すると5%引きになるので、ご活用ください。
上記の商品は、1粒25㎍のビタミンDが入っており、それが120粒も入ってたったの800円ほどというから驚きです。
1粒で厚生労働省が薦める推奨摂取量の4倍以上取れるので、非常に良いのではないでしょうか?
1日100㎍までは安全とされているので、過剰摂取にはなりません。
なにせ、1日1粒飲んでも4か月ほど持ちます。

日ごろ太陽に当たらない生活をしている方は、一度ビタミンDサプリを試してみてはいかがでしょうか?
特に冬場はビタミンD不足になりがちなので、積極的に取り入れていきたいですね。

日本人の8割が不足しているビタミンD:まとめ
今回は日本人の8割が不足しているとされるビタミンDについてお伝えしました。
意外と知られていませんが、ビタミンDは骨の形成や免疫機能の調整などの役割を担っている非常に重要な栄養素です。
特に昨今、猛威を振るっている新型コロナとの関係も示唆されているので、注意する必要がありそうです。
ぜひ、ビタミンD不足に陥らないように日光に当たり、食事やサプリから積極的に摂取していくようにしたいものですね。