「ダイエット中なのに食べ過ぎてしまった。。。」
「こんなに食べるつもりじゃなかったのに。。。」
と、つい食べ過ぎてしまったという経験は誰もが一度はしたことがあるのではないでしょうか?
この「食べ過ぎ」には様々な原因があると考えられています。特に、無意識のうちに行なってしまっていることがこの「食べ過ぎ」に繋がると言います。誰も「食べ過ぎよう」と思って食べないですからね(笑)。みんな知らず知らずのうちに食べ過ぎてしまうのです。
今回は、この無意識に「食べ過ぎ」てしまう原因の一つをご紹介したいと思います。
つい食べ過ぎてしまう原因が判明?
私たちがつい食べ過ぎてしまう原因も1つは「周りの人」にあります。
では、周りの人がどのように私たちの食べ過ぎに繋がるのかを説明していきます。
周りに人がいるだけで食べ過ぎに?
私たちがつい食べ過ぎてしまうのは、「周りに人がいるから」かもしれないといった研究があります。
1990年代の研究では、私たちは誰かとともに食事をするだけで食べ物のサイズが大きくなったり、摂取カロリーが増加することが確認されています(1,2)。
これらの研究によると、一人で食べるよりも他の人と一緒に食べた場合、44%~60%食べる量が増加したと言います。さらに、(2) の研究では、一人で食べる場合に比べて他の人と食べる場合は、カロリー、塩分、アルコール量、コレステロールなどが大幅に増えていることが示されています(図1)。
図1.

出典:(2)から引用(赤線は筆者によるもの)
この図1によると、一人で食べる時よりも誰かがいた場合では、カロリーの摂取量は200kcal増加していますね。
ただご飯を食べる時に「他の人がその場にいるかどうか」だけでこんなにも食べ物や栄養素の摂取量が変化するとは恐ろしいですね。。。
食べ過ぎは周りの人が食べる量によって決まる?
そして、実は「周りに人がいるか」だけでなく「その人がどのくらい食べるか」も私たちの食べる量に影響を与えることがわかっています。
ついては、2015年に出た38件の食習慣に関する論文をまとめたメタ分析 (3) が答えを出してくれています。
※メタ分析は論文をまとめた研究であり、比較的科学的根拠の高いデータ考えてもらえれば良いです。
この研究 (3) によると、
・一緒に食事をしている人が少食だと、食事量が減る
・反対に、一緒に食べる人が大食いだと、食事量が増える
といった結論が導き出されています。
たしかに、飲み会などで周りの人がたくさん食べていると、それにつられてどんどん食べてしまうといった経験はあったりするのではないでしょうか?なので、このあたりの「一緒に食べている人に合わせて食べる量が変化する」というのは、何となく想像できるかなと思います。
しかし今回はそれが科学的に証明された、ということですね。
また、この論文 (3) を書いたヴァルタニアン博士は、
「この食べ過ぎは、高カロリーな食べ物の普及や特大サイズなどの要因によって加速する可能性がある」とも述べています。
このあたりの食べ過ぎの原因についてはまた詳しく解説していきたいと思います。
まとめ
今回は、私たちが食べ過ぎてしまうのは「周りの人」が原因の1つである、とお伝えしました。
繰り返すと、
・私たちは誰かと一緒にご飯を食べるだけで食事量が増える傾向にあり、
・一緒に食べる人が大食いであると私たちの食事量も増える傾向にあるとのことでした。
これらのことから、
・(少し寂しいが)一人で食べる
・大食いの人と食べない
・誰かと食べる時でも強い心を持って食べる量を調整する
ことで食べ過ぎを避けられるのでは、と思います。
是非これらのことを頭の片隅に入れて食べ過ぎを避けていただければとおもいます。
最後までご覧いただき有難うございました。
参考文献
1) Castro, J.M.D., 1997. Socio-cultural determinants of meal size and frequency. British Journal of Nutrition 77, S39–S55. https://doi.org/10.1079/BJN19970103
2) Redd, M., de Castro, J.M., 1992. Social facilitation of eating: Effects of social instruction on food intake. Physiology & Behavior 52, 749–754. https://doi.org/10.1016/0031-9384(92)90409-u
3) Vartanian, L.R., Spanos, S., Herman, C.P., Polivy, J., 2015. Modeling of food intake: a meta-analytic review. Social Influence 10, 119–136. https://doi.org/10.1080/15534510.2015.1008037